日本の事情 ~経済編 vol.1~

さて前回はお金の発生経緯についてお話ししました。
お金を借りるには利子が付きます。その利子は、元を辿れば管理者(=銀行)が“貸し出し手数料”として徴収していたもの。また管理者のほうも、実際に貸し出す紙幣をすべて持っているというわけではありません。預金している人全員が一度に引出しにくるケースが滅多に起こらないことを基に、管理者が預かっているお金を担保として貸し出し始めたことです。

例を挙げてみましょう
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 もし、1000人から10万円ずつ預金があれば1億円になります。預金者はすぐに全額を引き出すことはしませんから、10%(1千万円)の支払い準備金を残して差額の9千万円をA社に貸し出します。この9千万は銀行の「資産」ということになります。この9千万円を元手に、また支払い準備金として10%(900万円)残し8100万円をB社に貸し出します。正確にいえばB社の預金口座に8100万円が振り込まれ、数字上だけ8100万円の新たな預金が発生します。銀行は、ただ単にB社の口座に8100万円と印字すればいいだけです。(この預金を派生預金といいます)。実際に紙幣という形で、お金が増えるわけではありません。この手順で貸付けを繰り返していくと1億円の預金から9億円のお金を生み出すことができます。
 これは銀行のみに与えられた特権で「信用創造」といいます。こうして銀行は右から左にお金を動かすだけで次々にお金を生み出すことができるのです。そして、このとき貸し出されたお金は、みな「利子」という使用料のかかるお金なのです。
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(『日本人が知らない恐るべき真実』2005年9月9日の記事より)

その利子には単利と複利の2種類の計算方法があり、長期的な貸付を取る場合(起業時などに必要とする資本金)は一般的に複利が採用されます「複利」は利子に利子が付いていくもので、その効果は破滅的。1千万円を年利5%の複利で借りたなら、15年後には倍の2000万を返済することになり、これは返済期間が長いほど雪だるま式に膨らんでいきます

そしてこれが企業の経済成長を強制させている原因でもあるのです。でも、地球は有限で、経済活動は地球の生産能力と浄化能力の範囲内でしか持続的に行うことができません。つまり無限の経済成長は不可能。また現在の経済では「自然は無料で資源を提供してくれる存在」と見なされているようですが、本来は自然を破壊したらその修復コストを支払わなければならない。

日本は経済成長期において、環境汚染を繰り返し、バブル崩壊後も厳しい価格競争の中で環境に負荷をかけ続けてきました。今日の地球が温暖化に向かっているのは日本だけでなく、世界中でこの地球が有限であることを無視し続けてきた結果であることは明らかです。

また利子は、社会に対して富の集中という体系的な影響を及ぼしています。この移動はマネーシステムにより自動的に起こるもので、マネー経済が主流となっているアメリカではこの傾向が特に強まっています。
利子によって、「富めるものはより豊かに、貧しいものはより貧しく」なっていく不公平な世界が自動的にもたらされます

もうひとつ、利子は仕事の効率化とも大きく関わっています。経済は成長させ続けなくちゃならないけど、それに合わせて価格を引き上げるわけにはいかない。価格を上げたら競争に負ける企業が出てきます。
だから残る手段は効率化、合理化を計り続けること。
でも1日は24時間しかないし、1年は365日と限られています。同じ期間で効率を上げ続けることは非常に困難ですが、それをしなければ倒産してしまいます。だから「良心が咎めても、非人道的なことをしてでも、環境を破壊してでも効率化・合理化して、売り上げを伸ばし続けなければ」ならなくなります

ところが効率を上げれば上げるほど雇用は失われていきます。最も経費を削減できるのは「人を雇わないこと」。だから一方では過労死する人がいるのに、他方では仕事がない人がいるというバランスの悪い構図が出来上がるのです。この先に待っているのは、いかに長時間、安い賃金で過酷な労働をさせるかを競い合う、ドン底の世界です。


参考・引用文献:『日本人が知らない恐るべき真実』
http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/

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この記事へのコメント

弾正
2008年09月21日 23:43
資本主義経済が恒久の成長をもたらす…
などという神話をなぜ信じてしまったのか。

頂点を過ぎた今、新しいイデオロギーの誕生が望まれてる気がしてなりませんが、
代替イデオロギーがない今は片翼を失った鷲のごとくさまよい続けるのでしょう。
mai
2008年09月22日 09:14
>弾正
こういったことを何にも知ろうとしない人や知る術が無い人が沢山いるから、搾取される人が絶えないんだろうね。

まして国を動かす政治家や官僚がこの仕組みを理解してなかったんだから。

それでも革命を起こす動きは出てきてるから、これからに期待してもいいんじゃないかな。

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